ウォーターサーバーは本当におすすめ?統計データの分析から本音を解説

最近は手軽で安全なウォーターサーバーを利用する人が増えています。

でも、実際のところ本当におすすめなんでしょうか?

この記事では、2022年の宅配水業界の統計をもとにウォーターサーバーの現状を分析し
ウォーターサーバーが本当におすすめなのかどうかを解説していきたいと思います。

2022年宅配水業界の市場規模は2,115億円

2022年の宅配水業界は、前年比116.5%増の2,115億円に達しました。

成長率で見ると過去最高となっているようです。

顧客数は前年比103.7%増の482万台、製造量は前年比101.4%増の156.7万KLと、こちらも過去最高の数字を記録しています。

では、なぜこれだけウォーターサーバーを利用する人が増えたのでしょうか

コロナ禍による巣ごもり需要の増加

1つ目はコロナ禍の影響で、自宅で過ごす時間が増えたこと。

テレワークやオンライン授業の普及により、自宅で過ごす時間が大幅に増加しました。

その結果、手軽で安全な宅配水の需要が高まりました。

具体的には、以下のような理由で宅配水の需要が増加しました。

  • オフィスや学校での給水機の利用機会が減少し、自宅での水分補給の必要性が高まった。
  • 外出を控えるため、自宅で料理やコーヒーを飲む機会が増え、水の使用量が増えた。
  • 衛生面への意識が高まり、安全で清潔な水を自宅で用意したいというニーズが高まった。

さらに、コロナ禍によって健康への意識が高まったことも、宅配水需要増加の一因と考えられます。

宅配水は、ミネラル分を豊富に含む天然水や、機能性表示食品として認められた健康志向の水など、健康に良い水を手軽に摂取できることから、健康意識の高い層から支持を集めました。

災害への備蓄意識の高まり

近年、地震や台風などの自然災害が頻発しています。

これらの災害への備蓄として、ミネラルウォーターを備蓄する家庭が増えています。

宅配水は、災害時にも安全な水を確保できるというメリットがあります。

停電や断水が発生した場合でも、ウォーターサーバーがあれば、電気や水道に頼らずに水を飲むことができます。

さらに、宅配水事業者は、災害発生時に被災地に水を寄付したり、災害用備蓄水として長期保存できる水を提供したりするなど、災害対策にも積極的に取り組んでいます。

これらの取り組みも、宅配水需要の増加につながっていると考えられます。

その他の要因

上記の2つの要因に加え、以下のような要因も宅配水業界の成長に貢献していると考えられます。

  • 高齢化社会の進展による健康志向の高まり
  • 環境への配慮から、リターナブル容器を選択する人が増えている
  • ウォーターサーバーのデザインや機能の向上
  • 宅配水事業者の積極的なマーケティング活動

これらの要因が複合的に作用することで、2022年の宅配水業界は驚異的な成長を遂げました。

2022年の宅配水業界は、コロナ禍による巣ごもり需要や災害への備蓄意識の高まりなど、さまざまな要因によって過去最高の成長率を記録しました。

今後も、市場規模は拡大していくと予想されます。

リターナブル容器が主流!容器別の顧客数

宅配水には、大きく分けてリターナブル容器と使い捨て容器の2種類があります。

2022年の顧客数を見ると、リターナブル容器が約60%と、依然として主流です。

リターナブル容器のメリット

リターナブル容器は、回収して洗浄・殺菌することで再利用できる容器です。

以下のようなメリットがあります。

  • 環境負荷が少ない
  • コストパフォーマンスが高い
  • 衛生面が安心

環境負荷が少ない

リターナブル容器は、使い捨て容器と比べて、製造、輸送、廃棄に伴う環境負荷が大幅に低くなります。

具体的には、以下の効果があります。

  • 資源の節約
    リターナブル容器は、繰り返し使用できるため、資源の使用量を抑えることができます。
    例えば、ペットボトルの場合、リターナブル容器は使い捨て容器の約20分の1の資源で製造できます。
  • CO2排出量の削減
    リターナブル容器は、製造や輸送に必要なエネルギーを削減できるため、CO2排出量を減らすことができます。
    使い捨て容器と比べると約90%のCO2排出量削減効果があります。
  • 廃棄物削減
    リターナブル容器は、繰り返し使用できるため、廃棄物量を大幅に減らすことができます。
    こちらも使い捨て容器と比べると約98%の廃棄物削減効果があります。

コストパフォーマンスが高い

リターナブル容器は、初期費用は高くなりますが、長期的に見ると使い捨て容器よりもコストを抑えることができます。

  • 容器代がかからない
    リターナブル容器は、使用料金のみで利用できます。一方、使い捨て容器は、毎回新しい容器を購入する必要があります。
  • 配送料が安い
    リターナブル容器は、回収と洗浄・殺菌の工程があるため、配送頻度が低くなります。そのため、配送料が安くなります。

衛生面が安心

リターナブル容器は、徹底した洗浄・殺菌管理が行われているため、衛生面が安心です。

  • 洗浄: 専用の洗浄機で高温洗浄を行い、汚れや雑菌を徹底的に除去します。
  • 殺菌: 紫外線殺菌や熱殺菌など、複数の殺菌方法を組み合わせて行います。
  • 品質検査: 検査員による厳格な品質検査を行い、安全性を確認します。

2. 使い捨て容器のメリット

使い捨て容器は、使用後に廃棄する容器です。 以下のようなメリットがあります。

  • 手軽に扱える
  • 持ち運びがしやすい
  • デザインが豊富

手軽に扱える

使い捨て容器は、洗浄や殺菌の手間がないため、手軽に扱えます。忙しい人や、手間をかけずに利用したい人におすすめです。

持ち運びがしやすい

使い捨て容器は、リターナブル容器よりも軽量でコンパクトなものが多いため、持ち運びがしやすいです。外出先や旅行先でも、気軽に宅配水を利用できます。

デザインが豊富

使い捨て容器は、リターナブル容器よりもデザインが豊富です。自分の好みのデザインを選ぶことができます。

リターナブル容器を選ぶ際のポイント

リターナブル容器を選ぶ際には、以下のポイントに注意しましょう。

  • 回収エリア: 自宅が回収エリア内かどうかを確認しましょう。
  • 配送頻度: 配送頻度が低いと、使い勝手が悪くなります。
  • 容器のサイズ: 家族人数や使用量に合ったサイズの容器を選びましょう。
  • 料金: 容器代や配送料など、料金体系を確認しましょう。

宅配水を利用する際には、容器の種類を比較検討して、自分に合ったものを選びましょう。 環境への配慮やコストパフォーマンスを重視する場合は、リターナブル容器がおすすめです。手軽さや持ち運びやすさを重視する場合は、使い捨て容器がおすすめです。

ウォーターサーバーのサービス内容

近年、宅配水事業者は、顧客満足度向上のため、さまざまなサービスを提供しています。 これらのサービスは、顧客の利便性を向上させ、宅配水の利用を促進しています。

本記事では、顧客満足度向上に貢献する代表的な5つのサービスについて詳細に解説します。

ウォーターサーバーの無料レンタル

多くの宅配水事業者は、ウォーターサーバーを無料でレンタルしています。 サーバーレンタル料は、月額料金に含まれている場合と、別途請求される場合があるので、契約前に確認が必要です。

無料レンタルのメリットは以下の通りです。

  • 初期費用を抑えられる
  • さまざまなサーバーを試せる
  • 最新のサーバーを使える

初期費用を抑えられる

ウォーターサーバーは、数万円から数十万円する高価な家電です。無料レンタルを利用すれば、初期費用を抑えて宅配水を利用を始められます。

さまざまなサーバーを試せる

各社、デザインや機能、水の種類などが異なるさまざまなサーバーを提供しています。無料レンタルを利用すれば、実際に試してから自分に合ったサーバーを選ぶことができます。

最新のサーバーを使える

無料レンタルの場合、最新モデルのサーバーを使えることが多いです。最新モデルは、省エネ性能や機能が向上しているため、より快適に利用できます。

定期配送のスキップ・停止・再開

多くの宅配水事業者は、定期配送のスキップ・停止・再開を自由に設定できます。 旅行や出張などで水をあまり使わない場合は、スキップや停止することで無駄な出費を抑えられます。

スキップ・停止・再開の方法は、以下の通りです。

  • 電話
  • インターネット
  • アプリ

電話

電話でカスタマーセンターに連絡し、スキップ・停止・再開を依頼します。

インターネット

各社のウェブサイトでログインし、マイページからスキップ・停止・再開を設定できます。

アプリ

各社のアプリでログインし、アプリからスキップ・停止・再開を設定できます。

コールセンターによるサポート

多くの宅配水事業者は、コールセンターを設置し、顧客からの問い合わせに対応しています。 水に関する質問やサーバーの故障などのトラブル対応など、さまざまなサポートを受けることができます。

コールセンターの主な対応内容は以下の通りです。

  • 水に関する質問
  • サーバーの設置・使用方法
  • サーバーの故障
  • 料金に関する問い合わせ
  • 配送に関する問い合わせ

コールセンターの営業時間

コールセンターは、平日だけでなく土日祝日も営業していることが多いです。営業時間外は、留守番電話にメッセージを残せば、翌営業日に折り返し連絡がきます。

アプリによる注文・管理

多くの宅配水事業者は、アプリを提供しており、アプリから注文や配送状況の確認、支払いなどができます。 24時間いつでもどこでも簡単に操作できるため、非常に便利です。

アプリでできる主な操作は以下の通りです。

  • 注文
  • 配送状況の確認
  • 支払い
  • サーバーの設定
  • 水の注文履歴
  • 問い合わせ

アプリの利便性

アプリを使えば、わざわざ電話やインターネットを開かなくても、簡単に操作できます。また、配送状況をリアルタイムで確認できるため、水の準備を忘れることもありません。

その他のサービス

上記以外にも、顧客満足度向上のため、さまざまなサービスを提供している宅配水事業者があります。

  • 赤ちゃんや妊婦さん向けの天然水
  • 機能性表示食品の水
  • ウォーターサーバーのレンタル・販売
  • 冷水・温水・常温水の3種類が出せるサーバー
  • お茶やコーヒーなどのオプション商品

自分に合ったサービスを選ぶ

これらのサービスは、各社によって内容が異なります。自分に合ったサービスを選ぶためには、各社のウェブサイトや資料をよく確認することが大切です。

近年、宅配水事業者は、顧客満足度向上のため、さまざまなサービスを提供しています。 これらのサービスは、顧客の利便性を向上させ、宅配水の利用を促進しています。

課題と展望:競争が激化する宅配水業界の未来

2022年に過去最高の成長率を記録した宅配水業界ですが、いくつかの課題も存在します。 本記事では、2つの主要な課題と、今後の展望について解説します。

1. 競争激化

近年、宅配水市場は急成長しており、多くの新規参入企業が現れています。競争が激化する中で、各社は顧客獲得のためにさまざまな施策を講じています。

顧客獲得のための施策

  • キャンペーン: 無料お試し期間や割引キャンペーンなどを実施している。
  • サービス内容の充実: ウォーターサーバーの無料レンタルや定期配送のスキップ・停止・再開など、顧客満足度向上のためのサービスを提供している。
  • 商品ラインナップの拡充: 天然水や機能性表示食品の水など、顧客ニーズに合わせた商品を開発している。
  • 販売チャネルの拡大: インターネット販売だけでなく、実店舗や家電量販店での販売も積極的に行っている。

競争激化による影響

  • 価格競争: 顧客獲得のために価格を下げる競争が起きている。
  • 利益率の低下: 価格競争により、各社の利益率が低下している。
  • サービス品質の低下: 価格競争に追われるあまり、サービス品質が低下する可能性がある。

2. 価格上昇

燃料費や原材料価格の高騰により、宅配水の価格上昇が続いています。価格上昇は、顧客離れの要因となる可能性があります。

価格上昇の要因

  • 燃料費: 原油価格の高騰により、ウォーターサーバーの製造・運搬コストが上昇している。
  • 原材料価格: ペットボトルなどの原材料価格が上昇している。
  • 人件費: 人件費の高騰により、配送料などが上昇している。

価格上昇による影響

  • 顧客離れ: 価格上昇により、顧客が他の宅配水事業者へ乗り換える可能性がある。
  • 市場規模の縮小: 価格上昇により、新規顧客の獲得が難しくなる可能性がある。

3. 展望

今後も、宅配水業界は競争が激化し、価格上昇も続く可能性があります。 その中で、生き残っていくためには、以下の点が重要となります。

  • 高品質なサービスの提供: 顧客満足度を高め、顧客離れを防ぐためには、高品質なサービスを提供することが重要です。
  • 差別化戦略: 競合との差別化を図るために、独自のサービスや商品を開発する必要があります。
  • コスト削減: 効率化を進め、コストを削減することで、価格競争力を高めることができます。

成長が続く宅配水業界において、各社が課題を克服し、どのように競争していくのか注目されます。

2022年に過去最高の成長率を記録した宅配水業界ですが、競争激化と価格上昇という課題も存在します。 今後、各社はこれらの課題を克服し、高品質なサービスを提供することで、顧客満足度を高め、生き残っていくことが重要となります。

まとめ

2022年の宅配水業界は、過去最高の成長率を記録しました。 今後も、市場規模は拡大していくと予想されます。

宅配水を利用する際には、容器の種類、サービス内容、価格などを比較検討して、自分に合ったサービスを選ぶことが大切です。

※参考資料
一般社団法人 日本宅配水&サーバー協会
https://jdsa-net.org/data/statistics/